キリスト教三大行事の一つ、ペンテコステ（聖霊降臨日）礼拝が守られました。

関東学院教会牧師、本校聖書科非常勤講師の髙橋彰先生のメッセージをお届けします。

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２０２４年度ペンテコステ礼拝　メッセージ

「聖霊 ~神さまの熱い思い ~」  関東学院教会　髙橋彰

おはようございます。

今朝の礼拝は、キリスト教で一年に３つある特別なお祝いの記念のうちの１つの日です。

皆さんもよく知っている「クリスマス」はイエスさまがお生まれになったことを記念する日、そして「イースター」は十字架にかかって死なれたイエスさまを神様が復活させられたことを喜び祝う記念日です。そのイースターから５０日過ぎた日が今日お祝いする「ペンテコステ」という記念日です。ペンテコステとは新約聖書が書かれたギリシア語で「５０」という意味の言葉です。

復活されたイエスさまと再会した弟子たちはとても驚き、大いに喜びました。イエスさまは生きておられる。裏切って逃げた自分たちを赦してくださり今も愛してくだっている。神の子イエスさまは死の力に勝たれた。「殺してしまえ、死んだら終わりだ」と考えてイエスさまを十字架につけた人たちの憎しみや悪い心にも負けなかったのです。

復活されたイエスさまは４０日の間、何度も弟子たちに現れて共に過ごされ、神さまのことをくわしく教えて伝え、愛して励ましてくださいました。ところがその後、イエスさまは天に昇って行ってしまったのです。もう見えなくなってしまいました。弟子たちは寂しく、とても不安に感じたことでしょう。集まって一緒に神さまに祈り、相談していました。

「イエスさまがいなくなられて、わたしたちはこれからどうしたらよいのでしょう」と。

それから１０日たった日のことです。弟子たちが集まっていた場所の外で突然激しい風が吹くような音が聞こえました。そして天から「炎のような舌」が降り、弟子たち一人一人の頭の上にとどまったのです。すると弟子たちは「聖霊に満たされて」自分たちがそれまで話していた言葉と違う、他の国々の言葉で話し始めたのでした。それが神さまの聖霊の働きでした。いろいろな言葉で話し出した弟子たちはその言葉を使っている人たちの所へ出かけて行き、イエスさまのことを伝えました。これがペンテコステです。聖霊が降り、イエスさまのことを世界中に伝える教会が誕生した記念日なのです。

いつも自分が使っているのとは別の、他の言葉で話すというのはなかなか大変なことだと思うのです。この小学校ではたいていは日本語で話し、日本語を使っていろいろな勉強をしていますね。そして他の言葉の「英語」も勉強しています。みなさんの中には２つや３つの言葉を使って話せるよという人もいるかもしれませんね。素晴らしいことです。でもさらに新しい言葉を覚えるとなったらやはり簡単ではありませんね。いつも使っている言葉で話すとしたら、たくさんのことをしゃべったり、詳しく説明しようとしたりもできると思うのです。でも別の言葉を使って話すとしたら大変ではないですか？単語を一つ一つ覚えてもうまくつなぎ合わせて話せるかなと不安になって心配もするでしょう。

でも神さまはそんな不思議な、ややこしい仕方で神さまのことを伝えるようにと、聖霊を送ってくださいました。神さまは世界中の人が皆一気に神さまの事がわかり、神さまを信じて拝むようにさせるような力は使いませんでした。一人の人が、慣れない他の言葉を一生懸命に話す力と勇気をくださったのです。相手の事を思って話す働きで伝えるように。上手にたくさん言葉を話せる人が「教える人」だったら早く詳しく伝わるかもしれません、ところが言葉が得意ではないほうの人が一生懸命に相手の言葉、相手の気持ちを考えながら丁寧に話すのです。逆転しているように思います。でもそれが神さまの聖霊の働きです。聖霊は「愛」の実を結ぶとも言っています。強い立場や有利さを持っている人が、持っていない人に教えてあげて与えてあげるのではありません。小さな一人が、相手のことを大切にし、相手に伝わる言葉を一生懸命に探しながら、あなたは神様に愛されているのですよ、わたしもあなたを大切な人だと思っていますと伝えるのです。

イエスさまは神の子でありながら、人間になられました。神さまが人間たちを愛してくださって、人間たちにその愛が伝わるようにご自分から人間になってこの世界に来られ、あちこちを旅してまわりながら一緒に生きてくださいました。イエスさまを通してたくさんの人びとが神様の愛を受けました。それが神さまの愛、「熱い思い」を伝える方法でした。

わたしたちも聖霊を受けています。「相手に伝わるように」力を尽くしてくださったイエスさまを知って、イエスさまの愛に押し出されて、わたしたちも他の人たちに届くように、相手の気持ちや言葉を大切にして、ほかの人たちを愛してゆけますように。