校長あいさつ

将来の進路を見据えた独自の小学校教育へ。
社会に、未来に、貢献できる
豊かな心と学力の基礎を育みます。

未来を想像します。パソコンが家庭に普及し始めた30年前、スマートフォンがあらゆることのツールになり始めた15年前、未来の「今」を想像できたでしょうか。インターネットが標準インフラになった今、仕事や生活の変化を思い描けたでしょうか。その「今」は、生成AIが急速に発達しています。社会は未来に向かってさらに加速度的に変容します。小学1年生の未来。大学卒業まで15年です。社会に巣立つときに必要な力はこれまでの経験に依る準備でいいのでしょうか。30年後は30代半ば…社会の中心で活躍しているでしょう。同時に、「デジタル・ネイティブ」が完全に死語となった若い世代と活動することになります。大きく変化する未来に備える学びとは…を考えずに教育は語れません。

日本はあらゆる面で国際競争力が低下してしまいました。この現状について従来の教育との因果から見直しが求められるようになりました。教育は、これまで以上に未来を想像して考える必要が高まっています。学習指導要領が根本から大きく変わりました。「主体的で対話的な学び」と表され、「学び」の概念の捉え直しでの大改革です。しかし日本の現状はいまだに、従来の価値観と方法での学び方で、学ぶ場を限定して学びを考える傾向にあります。型にはめる。数値化できる能力(認知能力)での評価を重視する。狭い了見での学びになりがちです。たしかに、小学校での学習はアカデミックスキルの「基礎の基礎」の理解と習得です。生きるための底力の習得、それは必須です。「基礎の基礎」ですから学習活動の中では習熟が重視されるものが多いことは事実です。しかし、学習活動の価値や評価する能力をその習熟の度合いに焦点化することは、未来に備える力の準備という観点からは不充分です。未来には主体的に、探究的でかつ対話的に前進する自走力が求められます。おぼろげにでも未来を想像すると、小学校では主体的に自走する力の種を習得することがとても重要なのです。

小学校で習得すべき力はおおらかな力で、かつ不可欠な力です。「気づきの力」です。そして、気づいたことから学ぶことへのインセンティブとなる「主体的な啓発力」です。これらが未来の力の素です。気づきによって得る新しい事柄と既習の知識や経験とをすり合わせ、新たに「必要」なことやそれに関する「知」や「技」を再構成していく。この学びがそれぞれの学齢で必要です。この構成的な学び方は非認知的な力も育みます。大人たちには小さいと思う発見であっても、子どもたち自らの興味関心として評価し、内なる感動から伸びやかな自己啓発を待つ。体験的に、実学的に、ホンモノでの学びの機会を多くする。遊びの時間を大切にして些細でも様々な気づきを増やす。一方で、学習の個別最適化を進め、言語化する力と発信する力を伸ばす支援をする。小学校にはそうした学びのシステムと環境が大切なのです。

関東学院六浦小学校は、キリスト教の精神を土台として学びの目的に「共生・共創の心を持つ児童を育むこと」を掲げています。まずは、子どもたち一人ひとりがかけがえのない存在として愛されていることと、自分自身と隣人を愛することの大切さを知る土台をつくる。その土台に立って「社会や他者に奉仕する心」、「平和を創り出す心」を育んでいく。さらにはその実現のため、「喜びを分かち合う心」を育成する。関東学院六浦小学校は、変わってゆく世の中に変わらない精神に立って、未来に繋ぐ学びでの教育を展開しています。

校長黒畑勝男

関東学院六浦小学校について

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