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2023.12.22在校生

クリスマスページェント

12月22日、クリスマス礼拝をもちました。

伝統のクリスマスページェント(降誕劇)は、5年生による演技、6年生による朗読、合唱団による聖歌隊、全校児童の賛美で構成されています。

2000年前、静かに誕生したイエス様ご降誕を、心を込めて演じました。

その後、関東学院教会牧師髙橋彰先生によるメッセージに耳を傾けました。

説教 「別の道を通って」

 みなさま、クリスマスおめでとうございます。イエスさまがお生まれになってから2023年目のクリスマスを世界中で多くの人たちがメリー・クリスマスという挨拶を交わし合ってお祝いしています。メリーとは、うれしいとか喜ぶという意味があります。けれども「今年はクリスマスのお祝いはできません」と声を上げた町があります。なんとイエスさまが生まれたという「ベツレヘム」の町です。今パレスチナでは激しい戦争状態になっている地域があり、2万人の人たちが亡くなったという悲しい知らせが届いています。しかもその半分近くはこどもたちだそうです。そのような知らせを聞いて、わたしたちは今年どんなふうにクリスマスを迎えたらよいでしょう。戦争、爆撃の恐れがあり、祝うことができない気持ちだと悲しむベツレヘムの人びとの声を忘れないで、一日も早く武力の攻撃が止み、平和が実現してゆくように祈ること、なのではないでしょうか。

 

 今年も、劇や歌を練習して、イエスさまがお生まれになった最初のクリスマスの出来事を演じて神さまを礼拝します。そうして聖書の大切なメッセージを目で見て耳で聞いて、大切に心にきざみたいと思います。いろいろな登場人物がいますが、この世に来られたイエスさまは小さな赤ちゃんで、何も話さず、何もすることができません。神さまは最も小さく、弱い姿でこの世に来られたのでした。

 

 「もし神さまがいるのならば、なぜこの世界に戦争やひどいことがずっと続いているの?どうして止めてくれないの?」という人たちがいます。神さまは来られたのです。でも神さまは人間たちがしていることを力づくで止めさせたり、変えたりするやり方はなさいませんでした。それは力に対して力で勝とうとする方法だからです。

 

神さまは赤ちゃんという一番小さないのちになってこの世界に来られました。その小さないのちを大切にしてください、気づいてください、あなたも小さないのちと一緒に歩んでください、と伝えているのではないでしょうか。天使たちが歌ったように天から大きな喜びの声があり、地上では小さないのちに出会ったヨセフやマリア、羊飼いたちや博士たちがその小さないのちと一緒に生きようとしたのです。

 

 「クリスマス」という言葉は、キリスト+おがむ、キリストを礼拝するという意味です。博士たちはイエスさまをひれ伏して拝んだと書いてあります。博士たちは東の国で星を調べる学者たちでした。ひときわ輝く星を見つけました。そしてその星が救い主がお生まれになるしるしだと博士たちは悟って、星をたどって長い旅をしてユダヤの国にたどり着きました。ところが、博士たちはエルサレムの都に着いて、ヘロデ王のもとに行ったのです。どうしてでしょう?わたしはこう思いました。博士たちは星を見失ってしまったのではないかと。エルサレムの都は丘の上で、堅固な城壁があり、人がたくさん集まって賑やかで、真ん中には立派な神殿もありました。

砂漠のような寂しい道を長く旅してきた博士たちには、エルサレムの都がまぶしく輝いて見えたのではないでしょうか。ヘロデの王宮こそ輝く場所だと思ったのかもしれません。しかし、それは間違いでした。ヘロデ王は博士たちの話を聞いて、心に怒りと恐れが湧いてきました。そして家来たちに古い記録を調べさせました。そこにはちゃんと書いてあったのです。ベツレヘムという小さな村に救い主が生まれると。王様も都の人びともそんな古い教えは興味も持たず、見向きもしていなかったのでした。ヘロデ王は博士たちを送り出して、救い主を見つけたら戻ってきて知らせるように命じました。自分も拝みに行きたいからと。けれどもそれは嘘でした。自分の王の位を守るために、じゃまになる者は殺してしまおうと思っていたのです。

 

 博士たちはきらびやかな都から出ます。するともう一度星が見えました。その星は都から離れた田舎の村、ベツレヘムの小さな家の上に留まりました。その中に、一人の女の人と生まれて間もない赤ちゃんがいました。それがイエスさまでした。その小さないのちを見た時に、博士たちは、神さまが与えてくださった救い主だとわかり、喜びにあふれました。博士たちは持ってきた大切な宝物、黄金、乳香、没薬をささげ、ひれ伏して拝みました。その夜、博士たちの夢の中で天使が告げました。ヘロデ王のところに戻ってはいけませんと。博士たちは別の道を通って帰りました。救い主イエスさまに出会った博士たちはちゃんとわかったのです。この幼子の救い主と一緒に生きる道は、輝く都や強い王様の力に魅かれて向かってゆく方向ではない、小さなひとりのいのちを守る道、平和につづく道を行くことだと。博士たちはもう迷わずに「別の道」を通って、東の国へ帰ってゆきました。

 

 イエスさまと出会う人たちには、それまでと別の道が開かれます。大人になったイエスさまはこう言われました、「わたしは道であり、真理であり、命である」と。わたしたちも「クリスマス」=イエス・キリストを礼拝しました。わたしたちもイエスさまが教え導いてくださる、いのちを守り平和へと続く道を、共に歩んでゆきましょう。

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