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2023.11.21在校生

収穫感謝礼拝

11月21日 収穫感謝礼拝

関東学院六浦小学校では、果物を持ち寄って、収穫感謝礼拝をもち、実りを与えてくださる神様に感謝を捧げました。

 

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2023年11月21日 (火)  関東学院六浦小学校  収穫感謝礼拝

聖書 ルカによる福音書13章6-9節

説教 「実のならないいちじくの木」  髙橋彰(関東学院教会牧師)

 

おはようございます。きょうは「収穫感謝」礼拝です。

毎年、こうして色とりどりの果物を神さまにおささげして、収穫感謝を一緒にお祝いできることを感謝します。たくさん並んでいる実は一つ一つ時間をかけてできあがったものです。春夏秋の季節に少しずつ育ってきたのです。実を結ぶためには、太陽の光も、雨も、風も必要でした。そうやって一つの実がなるために、本当にたくさんの力や応援が必要なことを忘れないでいましょう。収穫感謝礼拝というのは、目の前に見えている実(結果)だけではなく、その実ができていく途中も想像することを大切にする時なのです。その時に「感謝」の気持ちが心に広がってゆきます。

 

わたしが小学生だった時、ある時期に学校で鉄棒がブームになりました。逆上がりや片足をひっかけてグルグル回転したり、回って遠くに飛んだりするのです。わたしは最初、逆上がりがなかなかできませんでした。お尻が上がらなかったのです。先生や友達がコツを教えてくれたり、練習を一緒にしてくれたり、応援してくれました。手にマメができて、それがつぶれたころ、あるとき手をぐっと棒に引き寄せてクルリと回ることができました。それからは普通にできるのです。不思議です。うれしくて何度も回りました。これも、毎日の練習や応援があってこそ、結果がでたことだったのだなあと、今でも思い出して感謝の気持ちがわいてきます。

 

400年ほど前、ヨーロッパのイギリスという国を出て、船で海を渡った人たちがいました。それまでは海の先には何もないと思われていたのが、その先に広い土地があることがわかったのです。自由を求めて、自分たちの国を作ろうと、102人の人たちが秋に旅立ちました。希望にあふれて出発しましたが、新しい土地は慣れない場所、そこで冬の季節を過ごすのは大変でした。自分たちが持っていった種や草は、新しい土地にはなじまなくて、実ることはできなかったようです。なんと一年のうちに半分の人たちが亡くなってしまいました。

 

苦労していた人びとのために、前からその土地に住んでいた人びとが、その土地に合う種を分けてくれて、畑を作るのを助けてくれたのだそうです。おかげで秋にはたくさんの収穫を得ることができました。たくさんの収穫は、助けと友情が結んだ大切な実です。助けてもらった人たちは、神さまに感謝し、そしてお礼にパーティーを開いて前から住んでいた人びとを招き、一緒にお祝いをしたのだそうです。それが「収穫感謝」のはじまりです。「たくさん実がなった」ことだけではなくて、そのためにたくさんの応援や協力、助けがあったことを思い出して感謝することが大切でした。

 

けれども、残念なことに、その後まもなく、後から来た人たちは前から住んでいた人たちをいじめて追い出し、土地を自分たちのものにしてしまいました。「収穫」だけ、「結果」だけしか見ず、その途中のたくさんの「感謝」を忘れると、人は奪い合い、目の前の実を少しでも多く自分のものにすることに心が向いてしまいます。目には見えないけれども途中にたくさんあった他の人の助けや神さまの働きを忘れてしまうのです。

 

実だけがほしいというのは、今すぐに結果が欲しい、自分の役に立つものを欲しがることにもなります。いますぐ食べられるものがほしい、いますぐ使えるものがほしい、いますぐ役に立つ道具が欲しい、いますぐ役に立つ友だちがいい、いますぐ返事が欲しい。こういう気持ちでいると、実が結ぶのを「待つ」ことが出来なくなるかもしれません。自分のことも、他の人のこともでもです。

今日の聖書の言葉は、イエスさまがお話してくださった「実のならないいちじくの木」のたとえばなしです。いちじくの木を三年育てても実がならないので、主人はもう役に立たない木は切ってしまおうと言います。

けれども園丁(木を育てる人)は一生懸命ご主人さまに願います。もう一年待ってください。来年には実がなるかもしれませんからと、木を守ろうとします。

 

このたとえ話の園丁のように、イエスさまは私たちひとりひとりのことをいつも愛して大切に守っていてくださいます。わたしたちがよく育つときも、なかなか実を結べないと思うようなときでも、イエスさまは、もう少し待ってみよう、応援しようと、わたしたちの味方になってくださるのです。そしてとうとう、イエスさまはわたしたちのために木の十字架にかけられました。それは苦しく辛い痛みでした。でもイエスさまはわたしたちの木の実になってくださったのです。十字架で死なれたイエスさまは神さまに復活されました。神さまは、そうやってイエスさまとわたしたちを生かしてくださいました。

 

だから、イエスさまのことを学ぶわたしたちも、よい実を結ぶときまで、自分のことも他の人のことも、大切にし、助け合いたいと思うのです。うまくできないときも、失敗した時も、まだこれから実を結ぶことを信じて励まし合いましょう。イエスさまが味方になってくださっていることを思い出しながら。

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