校長の小さなつぶやき
2023.05.26

活動で大切なこと

校長のちいさなつぶやき(17) 2023.5.26 「活動で大切なこと」

一つの活動を行うとします。学齢が同じ中で行う場合と違う場合では、学齢が違う子どもたちの活動での方が、特に年長の子どもにとって自己認識が自律的に育ちやすい。集団の中で幼い妹や弟を世話するように気を遣う。年少から喜ばれる、教師や大人に肯定的に認められる。当然ながら自己有用感がよく育つというわけです。

 

 新1年生歓迎遠足(5/1)

校長と教頭は1年生をエスコートしながら歩いてくるグループをゴール海の公園で待ちます。そのグループの中のただ一人の1年生は、ゴールの机のところで教頭に最後のポイント通過シールをカードへ貼ってもらいます。そして校長からは「ゴールしましたよ」という意味で、その子の名前がカードへ平仮名で書かれます。あるグループが机の前に来ました。2年生が1年生にやさしく言いました。「校長先生は字が上手だから、はい、ここにカード、出しなさい。」…これです。去年の自分の経験からエスコートの役割をきちんと果たし自己認識が生まれている。私は「そうそう、去年は書いてもらったものね。教えてくれたんだ、ありがとう。」と言いました。(実はこの後、別の話として面白いのです。いつものスーツ姿ではない私の格好を見て感じたのでしょう。名前を間違えないようにと書くことに集中している私に、「校長先生、今日は普通のおじさんですね」。ドカーン! 屈託のない素直な気持ちと上げ下げの痛快さ。思わず笑ってしまいました。)

運動会(5/20)

久しぶりのお昼を挟む運動会。

雨回避でびっくりポンの「全員早弁」になりました。が、その後の14種目は児童たちの主体的働きと集中で見事な運営になりました。

器具の準備や後片付け、競技進行のお手伝いは異学年との協働です。異なる学年を組み合わせてのゲームは共同の体験です。協働と共同の中で自己有用感が生まれ、思いやりが働く。それが責任感の育成になり、結果として自尊感情の育ちになる。

1、2年生の玉入れはダンスが組み込まれていましたが、のびのびと思い思い…も大事です。私は子どもたちの動きに何度も心を掴まれました…ほのぼのとする、ほっこりのシーンがいくつも。そこには「やらされていない」光景がいくつもありました。

運動会は紅白の決戦の形で盛り上げ、互いに健闘を表彰しますが、その営みの中に他者尊重の心と自尊感情の育成が組み込まれることが重要なのです。

児童や生徒は指示されて動くのが当然、逆に言えば、指示や許可がなければしてはいけないという感覚がまだ強い日本。主体性(自分で感じて、考え、判断し行動する)は育ちにくいものです。しかし六浦小学校はその逆で、子どもたちの動きには「やらされている」という感じが少ないと思います。もちろん、その仕掛けづくりには時間がかかることも、不合理なことも、ともすれば要領を得ない無責任な指導や関わり方と見えることもあるでしょう。でも、その子自身の内面で自分を自律的に育てること、そしてそれを促す仕掛けが大切なのです。

朝4時からお母様とご祖母様で手分けして用意されたお弁当を学校の中でゆっくりと楽しく食べることができてよかったとの言葉もいただきました。雨での中断も家族の思い出になったのでは…神様がつくった仕掛けなのかと勝手ながら感じました。

雨が上がってグランドの上空には虹がかかっていました。でも光の虹ではありません。児童席の割れんばかりの応援の声と観覧席の皆様の明るい歓声、それが交じり合う、感動という名の虹でした。

〒236-0037 
横浜市金沢区六浦東 1-50-1
TEL:045-701-8285/FAX:045-783-5342