キリスト教に立つ教育②
「キリスト教に立つ教育②」(10/26 1,2,3年生礼拝メッセージから)
2023/10/13の『小さなつぶやき』の「キリスト教に立つ教育」に続きます。
子どもに平和とは…を教えるのは難しいことです。そして、戦争の悲惨と残虐を示すのは簡単でも、何故?と教えることの難しさ、裏を返せば、何を大切なこととして理解すべきなのかを語ることは難しいことです。今の時代、メディアが即時性を以って出来事を伝える。戦火に晒される子どもたちの様子を毎日映像として目にすれば直截的に恐ろしさは伝わります。ダイレクトな教育の一つなのかもしれません。が、心から何故?を考える教育が必要です。人は弱いから、映像の中の出来事は他人事にして、遠い世界の出来事と考えてしまいがちです。
「キリスト教学校の礼拝では、どんなことが話されますか?」 その答えの一つとして、1,2,3年生の礼拝、メッセージのテーマは「へいわとせんそう」を紹介します。柿倉まゆみ先生のお話でした。たにかわしゅんたろう(谷川俊太郎)の絵本、『へいわとせんそう』を見開きにした拡大コピーをかざして、柿倉まゆみ先生は語りました。
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この本は子どもに戦争を説明するための絵本です。…先生は、まさかまたこの本を紹介する時が来るなんて思ってもみませんでした。今、また別の場所で戦争が起き始めています。イスラエルとパレスチナという場所で戦争が起き始めています。ニュースなどで知っている人もいると思います。…
(左右の敵対する両者の絵を紹介して、敵と味方の顔を比べて見せ)
顔、同じです。赤ちゃん、同じです。…朝日も同じです。
神様が私たち人間を作ってくださった。
同じ人間を作ってくださった。
神様は私たちを愛してくださっています。
それなのに、…
今日の聖書の箇所に「神さまを愛することの次に、自分以外の人を愛することが大切だ」と書かれています。神さまが自分を愛して大切にしてくださっているように、他の人も神様は愛して大切にしている。だから自分も神様がしてくださっているように他の人を愛して大切にしよう。
皆がそう思って暮らせれば喧嘩や戦争が無くなるのに…、と先生は、もどかしいような、やるせないような気持ちになります。
私たちには何もできない、と悲しい気持ちになりますが、戦争の地にいる人たちは、遠く離れている私たちにも出来ることがあると言っていました。
1つ目は知ること、2つ目は伝えること、3つ目は祈ることです。
私たちは戦争の事を知ることができます。そしてお家の人や友達に伝えることができます。そしてお祈りをすることが出来ます。…
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1年生、2年生、3年生は皆、静まり返ってお話しを聞いていました。遠く離れた、自分たちとは違う世界での出来事とはせずに、知る、伝える、そして、祈る。…祈りとは能動的な活動なのです。神が自分を愛して下さっているように、他の人も神様は愛している。互いに愛することを思うこととしての祈り、平和を「論じる」のではなく、平和の核心を「感じる」ことの祈り。大切なことが心に深く伝わる経験、静かな静かな、空気までも聴き入るような朝でした。