オープンスクールで特色を感じていただけます―その(1)英語教育―
校長の小さなつぶやき(46)オープンスクールで、特色を感じていただけます―その(1)英語教育―
「HPを見て参観させていただき・・・、失礼ですが拾い物をした感じです。」この2年ほどでオープンスクールに転入を見据えてのご参観も増えています。
オープンスクールは週に2日、午前11時から12時半で実施しています。はじめに校長から、始まっている小学校教育の再考と本校の特色について、教育上の目的をお話させていただきます。その後、お子さんと同じ学年(未就学児の場合は小1)と違う学年の複数の授業の見学、施設の簡単な内覧となります。そして再び教頭からの説明に戻り、具体的に教育の狙いや特徴をご紹介します。説明終了後はランチの風景を見てのおかえりです。隣接する大学の食堂部が提供するマナランチは、自画自賛ですがとても美味しく、笑顔もいっぱいです。(8割以上のご家庭が週3日または週5日で利用されています)

ある日の見学授業は小学3年生の英語の授業でした。全学年とも英語は週2時間です。さてこの日は、週2時間で2タイプあるの授業のうちの1時間。「六浦小CLIL」と呼びたい教授法での授業です。2015年に横浜市内と神奈川県内で最初に教授法CLILを導入した六浦中・高との連携で進める本校独自の取り組みです。2年目ですが校長の私自身もここまで来たのか!と驚く授業です。3年生が「理科」で学んでいる内容がこの日の言語教材です。
光源からの物体の距離と後ろの壁にできる物体の影の高さの関係を英語で学び直していました。理科での面白い学びについて、一度学んだことを再度英語で学ぶ。そうです、これが本校のCLILです。Contents and Language Integrated Learning(=内容と言語の統合的な習得)です。よく耳にする教授法のイマージョン・・・と言えば、イマージョンの一種ですが、本校は、知っている知識や経験を英語で整理しながらその英語表現を自然に学ぶという教授法です。これを実践するのは、語りたい気持ちの必然性の中から臆せずに英語表現を学び、英語で発話することへの自然なインセンティブを創り出すためです。
多くの日本の英語テキストは、習得すべき単語や文法・語法と表現方法を、仮想的で物語的な設定状況で学んでいくのが大方です。しかし、ナラティブとしてはどことなく感じるわざとらしさ(人工的で恣意的につくられた会話などの)や、習得への必然性を感じさせない限界もあるものです。その中で生じる英語学習へのアレルギーは、日本全国の小学校で、特に高学年で大きな問題となっています。英検の検定級の取得を目標に掲げる私立小学校も少なくはありませんが、強い動機を感じなければ子どもたちの習得する英語力の浅薄さは否定できません。六浦小学校が六浦中・高との連携で「六浦小CLIL」を推進するのは、公立・私立の普通の小学校が抱える課題への挑戦でもあります。
さて、その授業で用いられていた英語です。日本語では、「私の観察では、ものが光源から10㎝離れているときは影の高さは19㎝で、離れる距離が15㎝の時は陰の高さは11㎝・・・」。そんなふうに児童それぞれが実験結果を複数挙げて、そして最後に「結論としては、光源に近ければ影は高くなり、光源から遠ければ影は低くなります。」得意げに英語でまとめて、そして皆で拍手。発表し合い、聴き合い、自然に英語表現を習得する。語彙も実践的で、文法では複文構造で中学1年を越えます。
六浦小CLIL。授業を参観された方は、どなたも「小学生?ですよね?」・・・津嶋教頭の説明の、「この夏、7月31日に発売されたAERA Mook 、小学校英語教育の特集号に、本校が取り上げられました・・・」がエコーするようです。オープンスクールでは、六浦小の深化の一つ、英語教育も紹介しています。
